とある事件の闇とは? 『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』
私がこの映画について記そうと思ったのはNHKのEテレで放送されたドキュメンタリー番組からです。
最初に言いますが、この映画は安易にはおすすめできません。
見るかどうか迷う人はこの記事、もしくは映画の評論サイトで確認してから見てください。
カニバ パリ人肉事件38年目の真実の基本情報
監督:ルーシァン・キャステーヌ=テイラー(人類学者)
ベレナ・パラベル(人類学者)
年齢制限:R15+(15歳以上の方は視聴可能)
フランスとアメリカの合作
出演者:佐川一政
カニバはパリ人肉事件を起こした佐川一政氏を取り上げたドキュメンタリー映画です。
様々な国の映画祭で上映されたのですが、途中退場者が続出するほどの映画だったそうです。
パリ人肉事件事件とは?
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/23638506#goog_rewarded
いつ:1981年
場所:フランス
被害者:同じくフランスに留学していたオランダ人女性
簡単に説明すると、佐川一政が親しくしていた相手を〇害し、その後体の一部を口にしたというものです。
フランスで心神喪失で不起訴処分になった後に入院、帰国して日本の病院に入院しました。
しかし日本で診察したところ罪に問われる状況だったのではと疑惑が出たそうです。
裁判しようとしたのですがフランスからは不起訴処分となった佐川一政氏の資料を渡さないと言われたため、断念したそうです。
その後佐川一政は作家になり、テレビなどで活躍していました。
カニバ パリ人肉事件38年目の真実の感想
この映画は凄惨な事件の話が出てくるため、苦手な人は見ないことをおすすめします。
実際に見た感想は以下の通りです。
感想-1 とにかく眠くなる
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/26309115#goog_rewarded
映画の冒頭は真っ暗な画面が何分も続くものであり、継続的にノイズが走っていました。
一定の音が定期的に何度も繰り返されると人は眠くなるそうです。
劇場で見ていたときは何度も眠りそうになりました。
感想-2 闇は誰にもある
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/4465211
映画では佐川一政を中心に事件の真相や闇を追う者だと思っていましたが、実は弟さんも闇を抱えていたことが明らかになるのですね。
事件がきっかけなのか、それとも元々あったのかわかりません。
この闇に向き合うか、向き合わないかが事件を起こすか起こさないかの鍵になるのかなと思いました。
感想-3 誰もが口を閉ざすほどの闇だった
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/22005802
この映画は様々な国の映画祭で上映されたのですが、途中退場した人がいたそうです。
そういうエピソードがある映画を見るのは初めてでしたが、本当に途中退場するよねと思うくらい恐ろしかったですね。
実際、劇場で見たときには私以外に数人いて、後ろの席には友達同士なのか上品なマダムが二人座ってました。
映画を見る前はキャッキャウフフと仲良くおしゃべりをしていましたが、映画が終わった後はどーんとテンションが落ち込んでいて無言でした。
私もそうでしたし、周りの人たちもショックを受けましたね。
精神的なダメージが大きいものでした。
事件の涙の感想 そして家族だけが残された パリ女子学生人肉事件から42年
さて、『カニバ』をおすすめしないと記しながらも記事にしたくなったのはNHKで放送されたドキュメンタリー番組を見たからです。
その番組名は「事件の涙」。
2020年から不定期に放送されており、これまでに起きた事件の加害者や被害者の想いや心境が込められたものです。
たまたまテレビの番組表に以前映画で見た事件のことが特集されていたので、視聴することにしました。
感想 なんとも言えない心苦しさ
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/4848534#goog_rewarded
事件の涙では去年佐川一政が亡くなられたこと、そして弟さんやご家族の苦労などが特集されていました。
家族に大事にされていた佐川一政氏の過去、そして人生を台無しにされながらも本人を責めない家族や弟さんの姿。
心神喪失で罪に問われなかった分、苦しみを背負うことになってしまったことに胸が詰まりました。
被害者の立場から見ると佐川一政が世間で注目されながら活動しているとなると胸糞ものですね。
しかしながら、加害者家族からは自分たちでは背負いきれない罪の大きさに苛まれていたのかと思うと複雑な気持ちになりました。
まとめ 人の心の闇の真相はとても難しい
これ以上第三者がいろいろというのはだめな気がしますね。
恐ろしい事件を起こした人に対してなぜこんなことをしたのかと追及したくなるものです。
しかしながら人の心の闇は推理ドラマの探偵のように簡単に理解できるものではありません。
自分の闇、親しい人の闇とどう向き合うのはベストなのか、これからも自問自答していきたいと思いました。
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