フラッシュモブのような恐怖と悪夢 映画『ボーはおそれている』の感想・考察
みなさん、こんにちは。千年鯨です。
みなさんは不思議な夢を見たことはありますか?
私は小さいころから変な夢を見たことがありますが、今回語る映画『ボーは恐れている』は悪夢のようなものでした。
これから映画『ボーは恐れている』の感想・考察について記します。
映画『ボーは恐れている』の基本情報
監督:アリ・アスター
主演:ホアキン・フェニックス
監督はミッドサマーやヘレデタリーで有名なアリ・アスターです。
主演であるホアキン・フェニックスは
・2024年に開催された第81回 ゴールデングローブ賞にノミネートされた
・アカデミー賞など様々な賞を受賞している
実力の持ち主です。
映画『ボーは恐れている』のあらすじ
映画『ボーは恐れている』のあらすじは以下の通りです。
1.メンタルクリニックに通院する心配性の男であるボーは普段から難儀な日常生活を送っている
2.ある日、母と通話していたボーは電話越しに母が怪死したのを知る
3.葬式をするため、ボーは実家に帰ることを決意する
4.しかし、ボーは奇妙な出来事に巻き込まれてしまい、予想よりも長い帰郷になるのであった
映画『ボーは恐れている』の感想・考察
映画『ボーは恐れている』の監督があの有名なホラー映画を作ったアリ・アスターなので鑑賞するときは覚悟したものです。
実際に見てみましたが、SAN値がゴリゴリに削られました。
正直に言って気軽におすすめしてもいいのだろうかと悩んだものです。
詳しい感想と考察についてはこれからご紹介します。
がっつりなネタバレがあるのでまだ見てない方は実際に見てください。
感想・考察-1 ある意味フラッシュモブが永遠に続くような恐怖
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とにかく全体的に不気味でしたね。
ホラー映画には様々な種類がありますが、『ボーは恐れている』はフラッシュモブが永遠と行われているような恐怖でした。
ボーが住んでいた街、ボーを保護していた人が実は経営者である母親の息がかかっているものだとは。
最初の治安悪い街の住人が一気にいなくなったところとか、ボーを保護した人たちが病院に連れて行かなかったのはそういう理由があったのかと思うとぞっとしました。
映画が始まる前のマークの意味などあらゆる伏線が回収されたときは鳥肌が立ちました。
感想・考察-2 森であった父親と家の中の父親像
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ボーは子供のころから母子家庭であり、父親は死んだと聞かされていました。
しかし、森の中で父親らしき人物に再会したり、実家の屋根裏には怪物としてのボーの父親がいたりとわけわからない状況だったのです。
どっちが本物なのかと混乱しましたが、はっきりとしなかったですね。
屋根裏の怪物については、母親が父親に抱く嫌悪が姿になったようなものなのかなと。
なんというか母親の発言から、私は子供を得るためにいろいろと苦痛を受けたみたいな話があったので愛情もあるけれど、憎しみもあったのではと感じられますね。
女性ばかりが子供を得るまでに苦労しているという憎悪があの屋根裏の怪物を生み出したんだなあと思いました。
感想・考察-3 ボーの母親は毒親
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全ての恐ろしいことを生み出したのはボーの母親です。
母親は有能な経営者ですが、実はボーの人生をずっと支配していたというやばいやつだったのです。
ボーの住んでいた治安の悪い街の建物が母親の会社の持ち物であることを知ったとき、どうしてあの町にボーを住まわせていたのかと疑問に思ったものです。
子供を大切にしているなら、あんな恐ろしいところに住まわせるのだろうかと。
母親としての愛情はあると思われましたが
・ボーの幼少期の悪事を今でも責めている
・ボーが父親と同じ男性であることに嫌悪しているっぽい
ところから相当な毒親だなと感じました。
感想・考察-4 ボーの母親の中にある性に対する嫌悪
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ボーは恐れているは母親が怖いな話ですが、悪夢の始まりはボーの母親の中にある性に対する嫌悪からなのかなと思いました。
子供を得るためには必要な行為、相手が好きな人でもその行為が嫌だったのかな。
その嫌悪が父親を化け物の姿にしたり、ボーの双子の兄弟を追い詰めたのかと。
生きる上では誰もが兼ね備えていることに対する嫌悪が見事に表現されていると感じました。
感想・考察-5 ボーを保護した女性も怖い
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『ボーは恐れている』ではボーの母親以外にも怖い女性がいました。
その女性はボーを保護した医者一家の母親。
その一家では長男が軍人でしたが、戦地でお亡くなりになりました。
遺影が飾られていたのですが、その遺影は実はジグソーパズルで今でも解いている様子が見られたのです。
ただの遺影の写真なら恐怖はなかったのですが、ジグソーパズルにするなんてちょっと怖くないか。
というか娘放置で長男に対する愛情を今でも優先している姿にぞっとしました。
感想・考察-6 どこが妄想でどこが現実なのかわからない
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映画『ボーは恐れている』は精神が不安定な人の視点で進んでいるので、どれが実際にあったのかそれとも妄想なのかが怪しかったですね。
森の中の演劇の話は完全にボーの妄想だとわかりましたけど、他の場面はもしかしたら現実かもしれないし、妄想かもしれないというあやふやさ。
最後のところは走馬灯みたいなものなのかな。
あの結末を見ているとボーは限界を迎えて死んだんだろうなあと。
見続けていると発狂するくらい、早く映画館から出たいなあと思いました。
まとめ 一味怖い経験をしたい方にはおすすめ
映画『ボーは恐れている』は後味の悪さ、不気味さで見た後はしばらく精神が沈むほどのダメージを受けました。
あの映画は簡単におすすめできませんね。
何度も映画館を出たいと思ったほどの恐ろしさだったので。
ふとちょっと気分転換をしたい方にはおすすめします。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
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